「私立中学の受験」と聞くと、憧れを覚える一方で、
「大変そう」
「お金がかかりそう」
など不安になる方もおられるかと思います。
ここでは、私立中学を受験するメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
中学受験を検討されている方は参考にしてみてください。
私立中学を受験するメリット
私立中学を受験するメリットして、次の4つが挙げられます。
・中学受験ならではの学びが得られる
・精神力が強くなる
・自立心が生まれる
基礎学力や集中力がアップする
私立中学を受験するには小学4年生頃から塾や自宅学習に取り組む必要があります。
それらの受験勉強を通して、基礎学力や集中力をアップすることができます。
中学受験ならではの学びが得られる
公立中学への進学にはない、中学受験ならではの学びが得られるという点も、私立中学を受験するメリットの一つです。
私立中学を受験する場合は、小学校の授業範囲を超えた学習内容を勉強する必要があります。
その結果、平均的な小学生以上の学力を身につけることができるのです。
また、目標に向かって努力をする姿勢など、勉強以外の学びが得られるのも中学受験の良いところと言えます。
精神力が強くなる
受験勉強や試験を通じて精神力が強くなるというのも、私立中学を受験するメリットです。
周りの友達は遊んでいるのに、自分だけ勉強をしなければならないというのは、遊びたい盛りの小学生にとって簡単なことではありません。
そうした状況を乗り越えることで、忍耐力ややり遂げる力を培うことができるのです。
自立心が生まれる
私立中学の受験では、日々の勉強が欠かせません。
学校生活や習い事などもある中で、毎日一定の時間勉強をするためには、「自分で勉強時間を確保する」という自立心が必要です。
親に言われたからではなく、自分から勉強に取り組むことで、学習に対する主体的な姿勢を育むことができます。
私立中学に進学するメリット
私立中学に進学するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
・施設や設備が整っている
・先生の異動が少ない
・大学受験に有利なカリキュラム
・中高一貫でしか入れない高校がある
・部活や習い事に集中できる
教育方針がしっかりしている
私立中学では、創立者の思想や理念を反映した教育方針がしっかりと示されています。
そのため、前もって自分の求める環境に見合う学校かを判断した上で、進学先を決めることができます。
施設や設備が整っている
学校の施設や設備が整っているという点も、私立中学に進学する大きなメリットです。
たとえば電子黒板を使ったIT授業を積極的に行っていたり、多様な運動施設を備えていたり、快適な環境で学生生活を謳歌することができるのも私立中学の特徴と言えます。
先生の異動が少ない
数年に一度は先生の異動がある公立中学に対して、私立中学は先生の異動が少ないため、落ち着いた環境で学習を進めることができます。
思春期の子供にとって、信頼できる先生との別れは精神的なストレスが大きいものです。そうした心配をせずに安心して学生生活を送れるのは、私立中学のメリットと言えるでしょう。
大学受験に有利なカリキュラム
私立中学の多くは中高一貫校です。そのため、中学入学から高校卒業までの6年間をかけて、大学受験に有利なカリキュラムを受けることができます。
高校に進学してから大学受験を考えるより、かなり長いスパンで対策を行うことができるのは大きなメリットです。
中高一貫でしか入れない高校がある
私立中学の中には、中高一貫でしか入学できない高校もあります。
進学を希望しても高校からの生徒募集が行われておらず、入学を諦めざるを得ないというケースも少なくありません。
つまり、中高一貫でしか入れない高校に進学するためには、中学受験が必要不可欠と言えます。
部活や習い事に集中できる
前述のように、私立中学には中高一貫校が多く、ほとんどの生徒は内部進学をするため高校受験がありません。
高校受験の準備をしなくても良い分、部活や習い事に集中する時間が作りやすいというのも私立中学の良いところです。
私立中学を受験するデメリット
私立中学の受験にはたくさんのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
中学受験の主なデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・自由な時間が減る
・ストレスが溜まる
費用がかかる
私立中学の受験にはそれなりの費用がかかります。
東京都が発表した「令和2年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、私立中学の受験料は平均23,200円。
一般的な出願校数は4.89校なので、受験料だけでも10~15万円ほどの費用がかかるということが分かります。
さらに、塾・家庭教師・長期休みの短期講習・模試の費用なども加えると、別途200~300万円の費用が発生するケースも珍しくありません。
費用負担の大きさは私立中学を受験するデメリットと言えるでしょう。
自由な時間が減る
私立中学を受験する場合、小学4・5年生では平日1~3時間程度、小学6年生では平日3~5時間程度の勉強時間が必要です。
勉強に充てる時間が長い分、自由な時間が減ってしまうというのはデメリットと言えます。
ストレスが溜まる
模試の成績が悪かったり、成績が伸び悩んだり、さまざまな理由でストレスが溜まるのも私立中学を受験するデメリットです。
ストレスを溜め込みすぎると、勉強自体が嫌いになってしまう恐れもあります。
私立中学に進学するデメリット
私立中学に進学するデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・進学後の学力差が生まれやすい
・長期に渡り環境が変わらない
・電車やバス通学になるケースが多い
経済的な負担が増える
私立中学に進学した場合、公立中学と比べて経済的な負担は約2.5倍になると言われています。
公立中学の教育費が3年間で約150万円なのに対して、私立中学は400万円以上というデータもあります。
前述の受験同様、かかる費用が大きいというのはデメリットです。
進学後の学力差が生まれやすい
私立中学には一定のレベル以上の学力を持つ生徒が集まるため、公立中学に比べて授業の進み方が早く、授業内容も難しい傾向があります。
そのため、進学後の学力差が生まれやすく、授業についていけない子は落ちこぼれてしまいがちです。
長期に渡り環境が変わらない
中高一貫校では基本的に中学入学から高校卒業までの6年間周囲の顔ぶれが変わりません。
気の合う友人や先生がいれば良いのですが、そうでない場合は長期に渡り環境が変わらないことが負担になることもあります。
電車やバス通学になるケースが多い
私立中学の場合、家からの距離で学校を選ぶわけではないので、電車やバス通学になるケースが多いとされています。
通学に1時間前後かかる生徒も珍しくはなく、毎日長時間の移動をしなければならないのはデメリットと言えるでしょう。
まとめ
私立中学を受験するメリットやデメリットについて、詳しく見てきました。
中学受験にチャレンジすることは、さまざまなメリットをもたらします。
その反面、デメリットが生じるリスクもゼロではありません。
中学受験を検討する際には、上記にご紹介した内容を参考に、親子でじっくり話し合ってみることをオススメします。