中学受験をする際に考えておかなければならないのが「滑り止め」の存在です。
私立中学の倍率は難関校や人気校になるほど高くなるため、万が一の場合に備えて滑り止めを併願しておく必要があります。
ここでは、中学受験の滑り止め校を選ぶ際の偏差値や注意点、滑り止め選びに失敗しないポイントなどを詳しく解説します。
中学受験の滑り止めとは?
「滑り止め」とは、志望校以外に受験する併願校のことです。
中学受験をする場合、志望校1本に絞り込むのではなく、5~10校に併願をするのが一般的とされています。
志望校の入試に失敗した場合、代わりに入学しても良いと思えるレベルの学校を滑り止めとして受験するケースが多いようです。
滑り止め校の偏差値はどれくらいが最適?
中学受験の学校は、「挑戦校」「最適校」「堅実校」の3つに分けられます。
挑戦校とはいわゆる志望校のことで、判定模試の偏差値+8程度までが適正とされています。
次に、最適校とは自分の偏差値とほぼ同程度の学校のことで、判定模試の偏差値±3程度が当てはまります。
そして、滑り止め校に該当するのが堅実校です。
堅実校(滑り止め校)には判定模試の偏差値-4以下の学校が適しています。
滑り止め校が滑り止めにならないパターンもある
上記では偏差値ごとに受験する学校を分類しましたが、以下のようなケースでは滑り止め校が滑り止めにならないパターンもあります。
・滑り止め校の完納期限が志望校の合格発表よりも早い
・延納金が高すぎる
後から問題が判明して困ることのないように、滑り止め校を選ぶ際には、偏差値だけでなく上記のような点にも注意を払う必要があるのです。
滑り止め校選びに失敗しない3つのポイント
滑り止め校選びに失敗しないポイントとして、次の3つが挙げられます。
・延納制度があるか?
・完納期限はいつか?
・延納金はいくらか?
延納制度があるか?
延納制度とは、併願校の合格発表まで入学金や学費の納入を待ってくれる制度のことです。
延納制度を設けている学校であれば、志望校の合格発表を待って、入学手続きを進めるかどうかを決められます。
一方、延納制度がない学校の場合は、完納期限までに手続きを行わなければ入学を辞退したものとみなされてしまいます。
そのため、併願校を選ぶときには延納制度の有無を確認しておく必要があります。
完納期限はいつか?
延納制度の有無と同時に確認しておきたいのが完納期限です。
完納期限とは入学金などの納入手続きを終えなければならない期限のことで、これを過ぎるとその学校への入学ができなくなります。
完納期限を確認する際に重要なポイントが、「滑り止め校の完納期限が志望校の合格発表よりも後である」という点です。
仮に、滑り止め校の完納期限が志望校の合格発表よりも早いと、入学金などを無駄にする可能性があります。
延納金はいくらか?
入学金の一部を延納金として支払うことで、入学手続きに猶予を持たせてくれる学校もあります。
延納金の相場は5万円程度が多いとされていますが、学校によっては入学金と同額の延納金を要求されるなど、相場よりかなり高めの設定が行われているケースもあり注意が必要です。
中高一貫公立校と私立中学は併願できる?
公的な教育機関であるにも関わらず、私立中学に引けを取らない教育が受けられる中高一貫公立校は、中学受験において人気の高い進学先です。
では、中高一貫公立校と私立中学の併願は可能なのでしょうか?
その答えは「YES」です。
実際に、私立の難関中学を第一志望にして、第二志望・第三志望に中高一貫公立校を選ぶ家庭も少なくありません。
ただし、中高一貫公立校の中でも人気の中学は入学試験の倍率が高く、滑り止め校と呼ぶには合格が難しい学校も多いため、堅実校というよりは最適校の一つと考えておいた方が良いでしょう。
第一志望の中学に落ちてしまったらどうすればいい?
中学受験にチャレンジしたものの、惜しくも第一志望の中学に落ちてしまった場合、進学先としては次の2パターンが考えられます。
・併願していた私立中学に進学する
・公立中学に進学する
合格した併願校の中に進学したい学校がある場合は、その学校に進学するのも一つの方法です。
しかし、第一志望の学校に進学したいという希望があるのであれば、公立中学に進学して高校受験でもう一度トライするという選択肢もあります。
ただし、この場合は志望する学校が高校からの入学を認めていることが大前提です。
大切なのは、第一志望の中学に落ちてしまったからといって、そこで人生が終わったわけではないということです。
併願校に進むことで花開く才能も、高校受験でリベンジに成功する未来もあるということを覚えておきましょう。
まとめ
中学受験の滑り止め校について詳しく見てきました。
滑り止め校を選ぶ際には、上記にご紹介した内容を参考にしていただければと思います。