中高一貫校は中学と高校が一緒になっているだけだと思っていませんか?
本記事では中高一貫校の意味や種類、通うメリット・デメリットを徹底解説します。
中高一貫校を受験するかどうかをイメージのまま考えてはいけません。
本記事で、中高一貫校について正しく理解して、お子さんにとって最善の選択をできるようになりましょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
中高一貫とは
中学生、高校生の時に同じ学校に通うことを意味します。
そのため、高校受験をする必要がありません。 中学3年間と高校3年間を別々の学校で過ごす学生とは、まったく違う学生時代を過ごすことになります。
様々なメリットがありますが、デメリットといえるものもあります。
子どもに大きな負担となる中学受験を受けさせるのであれば、中高一貫校について正しく理解して、後悔のない選択をしましょう。
公立と私立の違い
中学と高校が1つになっている中高一貫でも種類があります。
まず大きく2つ、公立と私立の違い。そして公立と私立の中でもいくつか種類があります。
学費
公立の方が私立より学費は安く、半分以下の場合もあります。
私立はその学校の方針によって教育のスタイル、校風も大きく変わります。
学費が高い分クオリティの高い教育や環境を手に入れる事ができますが、子どもとの相性の見極めが重要になります。
公立も教育や環境が低い訳ではなく、大学進学率は私立と同等かそれ以上に高いです。
そのため、私立と比べて倍率がかなり高く、合格は狭き門となります。
入試
公立は小学校の学習範囲内から出題されますが、私立は学習範囲外から出題されることもあります。
公立は学習範囲内と決まっているため、範囲内の知識量を問うよりも読解力や思考力を問われる問題が多いです。
そのため学習範囲外からも出題される私立より、簡単というわけではありません。
私立では小学校では学習する事のない「旅人算」などが出題されます。
塾による専門的な入試対策、サポートが求められます。
中高一貫校の種類
ここからは公立と私立中高一貫校の種類を解説していきます。
主な違いはエスカレーター式で進学できる大学があるかないかです。
その違いで中高6年間のカリキュラムなどが変わってくるため、よく検討する必要があります。
公立の中高一貫の種類 は3つあります。
・完全型
・併設型
・連携型
完全型は高校受験の応募をしません。
併設型は高校が併設されていますが、外部進学可能で外部から入学してくる学生もいます。
連携型とは、1つの高校が併設されているのではなく複数の高校と連携している特徴があります。
中学校で受けたカリキュラム等が連携されています。
私立の中高一貫の種類
・大学付属
・準大学付属
・進学
種類は以上の3つです。
中学、高校、大学とエスカレーター式で進学していけるのが大学付属の大きな特徴です。
とはいえ、何もしなくても進学できることは稀で、多くの学校で進学基準等が設けられているので、成績キープが求められます。
大学付属校だとしても、そのまま付属大学に進学するかは学校によって異なります。
進学校は併設大学がないため、大学受験を受けます。
そのため、大学付属校より大学入試への意識が強いという特徴があります。
準大学付属校は、併設大学へ上がることも外部の大学を受験することも可能です。
中高一貫のメリット
中高一貫校を受験するメリットは主に4つあります。
・授業の質が高い
・深い友情を築ける
・余裕のある学校生活
・大学の合格実績
授業の質が高い
中学と高校で一貫したカリキュラムが組まれているため、無駄のなく質の高い授業を受けられます。
特に私立であれば、教員の採用・育成にも力を入れています。
6年間の長期間を見据えたカリキュラムのため、伸び伸びと勉強ができます。
また6年間慣れている先生の授業を受けられるのは、子どもにとって大きなメリットになります。
深い友情を築ける
中学卒業による友達との別れがほとんどないため、出会った友人たちと深い友情を築けます。
友人との出会い、思い出は子どもの人生に大きく影響する要素になります。
同じく志の高い友人と貴重な学生時代を過ごせるのは、大きなメリットといえるでしょう。
また部活動も中学校で途切れるわけでなく、そのまま同じメンバー・指導者のもとで続ける事ができます。
部活動に力を入れたい子どもにはピッタリです。
余裕のある学校生活
授業やテストの難易度は高く授業に追いつくのは簡単ではありませんが、高校受験がないため部活動や学校の行事も全力で続ける事ができます。
中高一貫校ではない中学校では、中学3年生の夏で部活を引退しなければいけません。
練習すればするほど心も体も成長する時期に、そのまま部活動や行事に取り組めるのは大きなメリットでしょう。
また学校によっては生徒の自由を尊重しており、学外での活動や趣味などに没頭できます。
子どもの得意や好きを伸ばしていきたい場合は中高一貫校が向いているかもしれません。
大学の高い合格実績
中高の6年間を見据えたカリキュラムを組んでいるため、大学受験への対策にも余念がありません。
高校で学ぶ範囲も早めに終わるため、公立の一般高校の学生より圧倒的に早く受験勉強をスタートできます。
特に大学付属ではない中高一貫校は、大学受験を強く意識したカリキュラムを備えていることが多いです。
進学させたい大学が決まっているわけではないが、より多くの選択肢を持たせたい場合におすすめです。
大学受験を強く意識したカリキュラムは中高一貫の大きな強みといえるでしょう。
中高一貫のデメリット
中高一貫には良い面もあれば、それが良くない作用をすることもあります。
・授業に追いつけなくなる
・授業の相性
・新しい出会いがない
・通学時間が長い
授業に追いつけなくなる可能性がある
中高一貫の授業は質が高く、大学受験も意識しているためスピードが早いです。
そのため、一度置いていかれてしまうと、簡単には追いつけません。
特に中学受験時に合格ラインすれすれだった子どもは周囲の子との学力差に自信を無くしてしまうこともあるでしょう。
学力によるクラス分けや補修などの対策を学校側が用意してくれますが、それでもスピードの速い授業に追いつけない子どもはいます。
授業の相性
公立ではなく私立の中高一貫校は、指導要領に沿った授業を行う必要がありません。
そのため先生や学校独自の授業を受ける事になります。
質が高い授業の場合もありますが、スタイルや内容によっては子どもに合わない可能性もあります。
入学前には判断しづらい部分になります。
新しい人との出会いがない
中学校とはまったく違う人たちとの出会いが高校受験の大きな魅力です。
中高一貫にはそれがありません。
そのため、中学生の時に良い人間関係を築けていない人にとっては出会いがないというのは魅力的ではありません。
学外での活動で人脈を広げる事は可能なため、そこまで気にする必要はないかもしれません。
通学時間が長い
自宅と学校が離れていて電車やバスを何回も乗り換えしないといけない人もいます。
満員電車などで移動するのは子どもにとって大きな負担です。
下校時間が早くとも、帰宅するのが夜遅いこともあり得ます。
夜遅くの下校は親としては少し心配です。
そのため防犯アイテムや子どもの状況が常にわかるようにしておく工夫が求められます。
また交通費も、6年間となると大きな出費になります。
まとめ
中高一貫校の仕組み、メリット・デメリットを解説してきました。
高校受験・大学受験が必要ないというのは、他の一般校の学生とは大きな違いです。
また中高一貫校のメリット・デメリットは親目線のみで考えてはいけません。
子どもにとって良い結果を生むのかどうかが重要です。
中高一貫校のメリット・デメリットを子どもに説明し、子どもの意見を聞くようにしましょう。