中学受験における都立中高一貫校の概要|大学受験エリート

中学受験における都立中高一貫校の概要

 

中学受験を考えている方であれば、「都立中高一貫校」という単語を聞いたことがあるかもしれません。

「都立でありながら中高一貫校?」と、不思議に思う方もいらっしゃると思います。

私立中学校とどう違うのか、見ていきましょう。

 

都立中高一貫校とは

 

生徒の個性を伸ばし、リーダーとなれる人材を育成するなど、教育の多様化を目指し、平成11年4月から文部科学省が導入した制度です。

 

これまでの、中学校に入学して、高等学校を受験して…という流れとは別に、6年間通して、同じ教育方針のもとで学ぶことを選択できるようになりました。

 

都立中高一貫校のタイプ

 

大きく分けて、2つのタイプがあります。

 

併設型

 

同じ敷地内に、中学校と高等学校が併設されているケースです。

この場合、中学校と高等学校は別として考えられており、高等学校からの入学も認められています。

都立白鴎高等学校附属中学校などが挙げられます。

 

中等教育学校

 

中学校を前期・高等学校を後期として考えられており、高等学校からの入学は認められていません。

 

・都立小石川中等教育学校
・都立桜修館中等教育学校
・都立南多摩中等教育学校
・都立立川国際中等教育学校
・都立三鷹中等教育学校

などがあります。

 

これまで併設型であった、

・都立武蔵高等学校附属中学校
・都立富士高等学校附属中学校
・都立両国高等学校附属中学校
・都立大泉高等学校附属中学校

が、2022年までに高校募集を停止すると発表しています。

 

併設型であった学校が高校からの入試を取り止め、こちらのタイプに変わりつつあるため、中学受験を希望される方がさらに増えることが予想さるます。

 

都立中高一貫校の長所

 

差はありますが、都立中高一貫校の倍率は得てして高く、人気の学校になると6~7倍など、難関私立中学校よりも高い倍率を誇っています。

 

なぜここまで人気が上がったのでしょうか。

 

学費が抑えられる

 

「都立」なので公立であり、私立とは入学金・授業料などの学費が大分違っています。

 

一般的に、都立中高一貫校は寄付金や施設費などを求められることがなく、トータルの学費は私立中学校のそれに比べ、2分の1から3分の1程度と言われています。

 

修学旅行に語学研修のため海外へ行く等、それなりの諸経費がかかる学校もありますが、総じて私立中学校より学費が抑えられることは間違いないでしょう。

 

高度な教育内容

 

公立でありながら、私立並みの教育水準が保たれているのが都立中高一貫校の特徴です。

 

例を挙げますと、東京都立小石川中等教育学校は、先進的な理系教育が行われているとされ、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けています(第3期)。

 

都立桜修館中等教育学校は、聞く・話す等の「使える英語」の指導に力を入れているとされ、東京都教育委員会から「英語教育推進校」に認定されています。

 

ほか、有名大学への合格率も高く、海外の大学へ進学するケースも少なくありません。

6年間を通したカリキュラムが組まれており、同程度の偏差値である私立中学校と比べても遜色のない教育を受けることができるでしょう。

 

高校受験は不要

 

6年間の一貫教育を目的として作られた制度ですので、基本的に高校受験は必要ありません。

その分、受験勉強に時間を割きがちな中学3年生の時期に、より発展的な学習をすることができます。

 

入試内容

 

特徴として、「学費が安い私立中学校」というイメージがありますが、私立中学入試とは試験内容が大分異なります。

このため、都立中高一貫校を受ける場合は私立中学受験とは別の対策を練る必要があります。

 

適正検査

 

私立中学入試では科目別の試験が行われますが、都立中高一貫校では科目統合型とよばれる、独特の適正検査が行われます。

 

国語の回答の大半が記述式、算数の問題は国語のように文章が長く、読解力や記述力を身につける必要があるでしょう。

 

作文

 

試験の一貫として、400~450字程度の作文が課されます。

付け焼き刃では対応できないため、日頃からニュースなどに関心を持ち、自分の言葉で意見をまとめられる訓練が必要になります。

 

また、「この学校を志望する理由」などを書かせるケースもあります。

模範解答がない設問ですので、暗記ではない思考力が試されます。

 

面接

 

個人面接・グループ面接・グループワーク等、さまざまなパターンがあります。

都立中高一貫校は全ての学校が同じ試験日になりますので、1校しか受けられません。

希望する学校の面接形式を調べ、対策を練りましょう。

 

報告書

 

小学校での成績・出欠・特別活動などの報告書を提出します。

これは小学校の先生に作成して頂くもので、高校受験における内申点のようなものです。

 

まとめ

 

都立中高一貫校合格は「宝くじに当たるようなもの」と言われることがあります。

安い授業料と高い教育水準のため、非常に倍率が高く、偏差値だけで合否が判定できないので、受験としては難しい部分があります。

 

私立難関中学校に合格したお子さんが都立中高一貫校には落ちる、ということが普通に起こりますので、単願は危険です。

私立中学との併願をするなどの対策を取った上で、受験勉強を行いましょう。

 

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