中学受験に合格するには、試験結果が重要と考えている方は少なくないでしょう。
たしかに試験の点数は合否に関わりますが、学校によっては「内申書」の内容も重要視されます。
では一体、内申書はどれぐらい合否に影響するものなのでしょうか?
中学受験で必要な内申書って?
ではまず、中学受験においての「内申書」とは何を指すのか説明しましょう。
基本的には学校の通知表が内申書となる
中学受験で言われる内申書は、基本的には学校の通知表のことを指します。
各教科の成績が5段階または10段階で評価・点数化された内容や学習態度などについて書かれているため、中学校側が受験生の小学校での成績や活動を確認するために提出するのです。
通知表を内申書として提出する場合はコピーで構いません。
ただし、どの期間の物を提出するかは受験する中学校によって異なります。
中には小学校4年生の分から必要なケースもあるため、事前に確認して用意しておいてください。
オリジナルの書式が用意されている場合もあり
近頃は少ない傾向にありますが、通知表ではなくオリジナルの書式の内申書や調査書、報告書が必要な中学校もあります。
オリジナルの書式の内申書は中学校から配布されるため内容を確認できますが、調査書や報告書の内容は親が確認することはできません。
後ほど詳しく説明しますが、いずれもあらかじめ担任または校長に作成を依頼する必要があります。
また、オリジナルの内申書等と併せて通知表のコピーが必要な場合もあるためよく確認しておきましょう。
中学受験では試験の点数だけでなく内申書も合否に影響する?
ではさっそく、中学受験では試験結果だけでなく内申書や調査書等の内容も合否に影響するのか見ていきましょう。
私立中学は一般的にはあまり影響はない
私立中学は一般的には内申書などの影響はあまりないと言われています。
内申書の提出が必要ない中学校の場合は、受験時に見られることがないため影響がないと考えて良いでしょう。
ただし、極端に成績が悪い、欠席が多いなどといった問題がある場合は注意が必要です。
飛び抜けてよくない点があると、中学校側にチェックされるケースもあります。
特別な理由がない限りは平均以上の成績かつ欠席は少なくしておいたほうが良いでしょう。
中には内申書を重視する学校もありますから、私立だからといって気を抜かず、受験する学校が決まった時点で内申書に関する情報を調べておいてください。
国立は公立一貫校は影響が大きい
国立や公立一貫校は内申書の影響が大きいと言われています。
提出を求められる場合がほとんどで、内申書の他に調査書や報告書が必要な場合もあるので準備が必要です。
内申書などが重視されるのは、試験の独自性が高く、それだけでは受験生の学力を測りきれないからでしょう。
また、学校生活の態度や欠席状況は、中学校での成績や大学以降の学力にも影響が出るので細かくチェックされます。
中学受験に合格できる内申書にするためのポイントは?
では一体どうすれば中学受験に合格できる内申書になるのか、ポイントを見ていきましょう。
授業は真面目に、積極的に取り組む
学習態度がよくない生徒は中学校側は歓迎できません。
他の生徒に良くない影響を与えてしまう可能性がありますし、本人の学力にも後に支障が出ることもあるからでしょう。
たとえば、授業中にさわぐ生徒がいると、他の生徒の学習の邪魔をしてしまいます。
宿題をほとんどやってこない生徒がいたら、「僕(私)もちょっとぐらい出さなくてもいいかな…」と思う生徒が出てくるかもしれません。
このような理由から、中学校側は内申書の学習態度が良くない生徒は、あまり受け入れたいとは思わないのです。
自宅学習や塾での勉強で好成績をキープしていても、内申書の学習態度でマイナス評価となり、試験に落ちてしまう可能性は否定できません。
「勉強ができるから」と過信せず、授業は真面目に、積極的に取り組ませてください。
試験の点数や塾での成績が良くても、内申書の学習態度が良くないとマイナス評価となる危険性があります。
授業には真面目に取り組み、宿題は忘れることなく、積極的に発言できる生徒だと内申書の評価も上がるはずです。
学校行事や部活動への取り組みも重要
授業態度だけでなく、学校行事や部活動(クラブ活動)の取り組みについても内申書に記載されます。
行事や部活に関しては、主に真面目に取り組んでいるかをチェックされるのが一般的です。
まとめ役になったり、大会やコンテストで賞をもらうなどの実績があればなお良いですが必須ではありません。
「うちの子は目立つタイプじゃないから…」と心配しなくても大丈夫です。
内申書には学校行事への取り組み態度や、部活動に関する内容も記載されます。
必ずしもリーダー役をやったり、部活で優勝するなど好成績を上げる必要はありません。
真面目にコツコツ取り組めば評価されますので、子供ができそうな内容をアドバイスしてあげましょう。
中学受験のために調査書・報告書を作成してもらう際の注意点
内申書の他に調査書や報告書が必要な場合は、以下の点に注意して作成してもらいましょう。
複数必要な場合はまとめて担任へ渡す
複数の学校分の調査書、報告書が必要な場合はまとめて担任へ渡すようにしましょう。
先生方もこの時期は忙しいですから、やりとりの手間はできる限り省いてください。
大事な依頼なので、書類は子供に任せるのではなく親が渡しに行きましょう。
学校ごとにファイリングしておくと親切です。
余裕を持って依頼する
担任や校長は日々忙しいですから、余裕を持って作成を依頼してください。
11月に願書を取り寄せて調査書等が必要か判明しますが、11月の時点で前もって「依頼書の作成をお願いすることになると思います。
先に担任へ伝えておくと良いです。
依頼は12月上旬までには済ませましょう。
作成してもらったら親が受け取る
作成してもらった調査書等は子供に持ち帰らせず、親が取りに行きましょう。
お礼品などは必要ありませんが、忙しい中作成したもらったお礼の「気持ち」は必ず伝えてください。
その際は感謝の気持ちをしっかりと担任へ伝えてください。
菓子折りなどは不要です。
必要以上のお願いごとはしない
合否に関わる内申書ですが、
「良い内容を書いて欲しい」
「合格に大きく影響するのでどうかお願いします」
というように、必要以上のお願いごとをすると逆に良くない影響を与える可能性があるので避けましょう。
中学受験では試験だけでなく内申書の対策も忘れない(まとめ)
中学受験では学校によっては試験結果だけでなく、内申書や調査書、報告書の内容も重視されます。
試験対策ももちろん重要ですが、内申書によって不合格になることのないよう、内申書対策も忘れずに行いましょう。