【問題集・参考書の活用法 英語 第10回 : ジーニアス総合英語】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第10回は、大修館書店さんから出ている英文法参考書「ジーニアス総合英語」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<英語が好き!得意! そんな方におススメの英文法参考書>
ジーニアス、この名称を聞いたことがない方は、おそらくほとんどいないのではないでしょうか。
そうですね、昔から数多くの受験生に使われている「ジーニアス英和辞典」は特に有名です。
今回ご紹介する参考書も、もちろん「ジーニアス系列」なのであります!
安心と信頼のジーニアス英和辞典の兄弟姉妹、もうこれだけで期待感でいっぱいですね。
ジーニアスという名前がついているくらいだから、きっと中身も詳しいものに違いない・・・
お察しの通りです。
では内容をみていきましょう。
WARM UP、第1章【文の種類】~第24章【名詞構文・無生物主語】の構成です。
ページ数にして、およそ600ページ程度ですね。
各章が英文法テーマ別になっている点は、他の英文法参考書と大差ありません。
ですが、ある意味「英文法の辞書」とも言えるほど、かなり細かい内容まで書かれているのです。
まず何といってもWARM UP!
「英語はどのようなことばか」というテーマで、日本語と比較しながらSVOCMの説明がされています。
最初から、かなり高度な話ですね~!
英語が好きな方・得意な方であれば、「へ~面白い。」と思える内容です。
さらに話は、今度は句と節の考え方へと続きます。
英文を読む上で欠かせない考え方を、のっけから全体に関わる話として説明されていますね。
もうここだけで、この参考書が「英語が得意・好きな方向け」であると推測できます。
本編からのいくつかご紹介しましょう。
例えば第3章の「時制」をみてみます。
みなさん、中学英語で【will = be going to】で書き換える問題をやったことがありますか?
はい、ありますね(空耳)。
ですがこれ、完全にイコールな表現として理解をしてしまって、本当によいのでしょうか。
「比べよう」という欄で、以下の2文でその違いを説明してくれています。
① She will have a baby .
② She is going to have a baby .
この2文、日本語訳にすると大差はないのかもしれませんが、状況によって使うべき表現は絞られます。
詳しくは参考書で学習してほしいのですが、①はただの未来予想のようなニュアンスに感じられますね。
一方②は・・・おっとネタバレしてしまうので、ここまでにしておきましょう。
このような細かい違いも、しっかりと説明が加えられている参考書なんですね。
第5章の「助動詞」もみてみましょう。
みなさん、mustとhave to は「~しなければならない」という意味で使ってきましたね。
詳しく勉強してきた方は、mustは「話し手が課す義務」、have toは「規則・状況から生じる義務」のような理解をしていると思います。
もちろん、その違いも当然説明されていますよ。
それだけではないんです!
否定文にすると、mustn'tは「~してはいけない」に、don't have toは「~する必要はない」という訳し方をしますよね。
なぜ訳し方がこうも変わるのか、考えたことはありますか?
これもまた詳しくは参考書で学習してほしいのですが、前者は否定語は動詞部分にかかりますね。
ですから、直訳「~しないことをしなければならない」→「~してはいけない」となるんですね。
では後者は・・・英語が好きな方や得意な方、続きが気になりますよね笑。
よくよく考えると不思議に思う部分も、詳しく説明がされている参考書なのです。
ダメ押しに、第18章の「接続詞」もみてみましょう。
みなさん、unlessという接続詞の意味を言えますか?
そうですね、「もし~でなければ」という意味ですねよく知っていました!(空耳その2)
これ、「if~not・・・」と同じだと思っている方、その細かい違いも理解しましょう。
この違いもまた、「比べよう」という欄で以下の2文を用いて説明してくれています。
① I'll be surprised if he doesn't come .
詳しくは参考書で学習してほしいのですが、こちらは、unlessにすると不自然な意味の文になってしまいます。
② If I were not tired , I'd go out to dinner with you .
こちらも簡単にポイントだけ、仮定法でunlessを使うことはまぁないですね。
そもそもunlessって、「~しない限り」と訳しても差し支えないような表現ですから、if~not・・・とイコールという理解は正しいとは言えません。
このように、ちょっとした「違い」までも、正しい理解を促す説明が加えられているのです。
これらの3つの例で、充分に特長を理解できるのではないでしょうか。
英文法の辞書的用途で使えるこの「ジーニアス総合英語」、とても内容は充実しています。
その充実がゆえ、私は以下の方に限定して、使用をおススメしています。
・英語が得意または好きで、難関大学を志望している方
・英検2級までは合格している、または充分合格できる力のある方
これから高校英文法の勉強を始めるぞ~という状態でこの参考書を利用すると、理解するのに多大な時間を要します。
「難しすぎる~!」なんて状態が続くと、英文法の学習はなかなか先に進むことはできません。
ある程度の英語のベースがあって初めて、この参考書はフル活用に至るのです。
英文法を細かい部分まで1冊でマスターしたい「上級者」向けの参考書と言えるのではないでしょうか。
もちろん、参考書の学習と並行して、英文法問題集でのアウトプットも必須です。
この参考書を利用する水準の方であれば、【サッと読む→問題集を解く→間違った内容をじっくり参考書で復習】くらいの使い方もできると思います。
並行して進める問題集も、ある程度文法カテゴリー別になっているもので、かつ、大学入試標準~応用レベルのものがよいですね。
一例を挙げるなら、桐原書店さんから出ている昔から定番の問題集【頻出英文法・語法問題1000】あたりでしょうか。
ちなみにこの問題集も、また別の機会にご紹介する予定ではいます。
英語を絶対的な得点源にしたい方、相棒の参考書として「ジーニアス総合英語」おススメですよ!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
現在の英語の実力と相談し、やり切れる土台がすでに備わっているのであれば、ぜひおススメしたい1冊ですね!
とは言うものの、なかなかご自身で「最善の参考書・問題集」を都度判断するのは難しいとも思います。
大学受験エリートは、「学習マネジメントと目標管理」に力を入れています。
目標から逆算した今のアナタに最適な学習計画をいっしょに立て、その進み具合を確認しながら、二人三脚で目標達成へと歩んでまいります。
今の自分にピッタリな学習は何だろうと不安に思う方、ぜひ一度、学習相談にいらしてください。
「これなら私でも合格できるかも!」と思える学習プランをご提示いたします。
それでは今回はこのへんで。
次回をお楽しみに! See you!
(使用した写真は「第2版」のものです)