【問題集・参考書の活用法 英語 第12回 : 「入試頻出 英語標準問題1100」】
このカテゴリーでは、Izu(いず)が様々な参考書・問題集の使い方の例を解説します。
第12回は、桐原書店さんから出ている英文法の標準問題集「入試頻出 英語標準問題1100」です。
毎度の定型文ですが、解説のスタンスは、この参考書・問題集を使うなら、ということです。
良い・悪いは個人の好みや学習状況で変わってきますので、それには触れません。
既にお持ちの方、これから参考書・問題集を買おうとしている方のお役に立てれば幸いです。
では、本題へ!
<英文法の理解が終わった後の、基礎~標準問題アウトプットにおススメ>
さて、今回ご紹介する「入試頻出 英語標準問題1100」ですが、文法・語法・イディオム・会話表現をバランスよく練習できる問題集です。
いわゆる網羅型英文法問題集なのですが、似たような問題集はたくさんありますよね。
Vintage、NextStage、UPGRADE、Scramble・・・ これから何か1冊買おうとする方は、選択肢が多くて迷ってしまいそうです。
ちなみに、Vintageは【第1回】ですでにご紹介していますので、そちらもぜひ参考までにお読みください。
まず、この「入試頻出 英語標準問題1100」の構成から説明します。
図書名から想像つくとは思いますが、問題数は全部で1100問になり、第1~第5章に分かれます。
第1章: 動詞とその周辺(時制、態・・・・・・動詞の語法、動詞を含むイディオム)
第2章: 形容詞・副詞とその周辺(形容詞の語法、副詞の語法、比較、形容詞・副詞を含むイディオム)
第3章: 名詞とその周辺(冠詞と名詞の語法、代名詞の語法、名詞を含むイディオム)
第4章: 関係詞・接続詞・前置詞とその周辺(関係詞の用法、接続詞の用法、前置詞と群前置詞の用法)
第5章: その他の重要項目(主語と動詞の一致・・・・・・会話表現、共通語補充)
正解を選ぶ4択問題がメインですが、他にも正誤問題であったり語句整序問題であったりと、いろいろな出題形式に触れることができるのもこの本の特長です。
英文法の重要テーマや構文は、もちろんしっかり網羅されていますが、もう1点注目ポイントがあります。
イディオムの問題配置で分かると思いますが、「品詞」を意識した構成になっている、という点です!
この問題集はイディオムが品詞別に分割されていますが、イディオムというテーマで1章まるまる構成している問題集が多いです。
結局は暗記必須なテーマですので、ひたすらイディオム問題を延々と解き続けるのは、作業的には苦しいかもしれません。
かといって、覚えたイディオムを実際にアウトプットする訓練を学習項目から外す訳にもいきませんですし・・・
この問題集は、品詞に関連付けて分割して登場しますので、似たような表現などを整理しながら学習を進められるのが良い点ですね。
暗記作業を苦痛に感じる方は、品詞別にイディオムを分割してくれている構成の方が使いやすいのではないでしょうか。
具体的に、【名詞】より、連続する2問(イディオムに関する問題)を例に出してみましょう。
1): You'll have to walk up to the fifth floor , because the elevator is ( ) order right now .
① away from ② beyond ③ out of ④ without
2): Youe ideas are all out of ( ) . They belong to the last century .
① order ② temper ③ date ④ print
どちらも、out of~という言い回しだなということが分かります(実はこの後にも2問似た表現の問題が続いています)。
1)は、知っている方が多いですね。
【 out of order 】で「故障して」という意味です。
解説では範囲表現も載っていますので、合わせて頭に入れることもできますね。
2)も、聞いたことはある方が多いのではないでしょうか。
【 out of date 】で「時代遅れの」という意味ですね。
②のtemper、④のprintも、out of~に続く言い回しとして知っておきたいですが、今回は文脈に合いません。
解説では、どちらの意味も載っていますので、ついでに押さえておくと「1問で二度おいしい」勉強になりますね!
ということで、この問題集のよい点その1は、「イディオムのアウトプットがやりやすい!」でした。
もう2点、この問題集「入試頻出 英語標準問題1100」のよい点を紹介したいと思います!
もう少しだけお付き合いください笑。
では、よい点その2!
他の網羅系問題集に比べ、基礎~標準レベルの問題割合が高い、という点です。
言い換えるならば(In other words)、応用レベルの問題はほとんど出てこない、と言えます。
図書名が「入試頻出~」ですからね、細かい知識を問うような問題は省かれている訳です。
もちろん、正答率の低そうな問題で「差をつける」学習をするのも学習戦略としてはアリです。
ですが、人によっては理解した文法項目なのに解けない問題が多すぎると、不安に思ってしまうかもしれません。
応用問題までは欲張らず、「落としたくない問題」をしっかり固めたい、という方の場合は、他の網羅系問題集よりもこの問題集の方をおススメします。
少し難しいと思われる問題には、【発展】とついているのですが、それでも標準レベルを逸脱はしていません。
具体的に1問、正しい選択肢を選ぶ問題をみてみましょう。
Of the two toys , his child chose ( ) .
① a most expensive one ② a least expensive one
③ the less expensive one ④ the most expensive one
さて皆さんはどれを正解に選びますか?
①が入るんだったら、最上級mostの代わりに最上級leastでもよさそうな気がしますね。
Of~があるから、「~つの中で最も・・・」か、the+最上級の④だな、とすると不正解です。
正解は③ですね。
ただ、この問題で聞いているポイントは、比較構文を学習する段階で必ず押さえたい内容ですよ!
【of the two (複数名詞)】がある場合、「2つ(人)のうちより~な方」という意味になり、the+比較級を使うのが正しいですよね。
「あ~聞いたことある!」、そうですよね(空耳)。
【発展】とはいっても、聞いたこともないような細かい内容は問うてないんです。
いかにこの問題集が、入試基礎~標準レベルをターゲットにしているかが分かります。
では続いて、よい点その3!
【問題編】と【解説編】が分冊になっている、という点です。
問題が左ページに、その解説が右ページに載っていると、すぐに確認できて便利ではあります。
ですが、「ついすぐに答えをみちゃう・・・」なんて方もいますよね。
この問題集は、問題編には解説はありません(下の方に答えだけ小さく載っています)。
ですので、解説編を開かない限りは、ご自身で考えるしかないんですね。
意志の弱い、かつての私みたいなタイプの方は、別冊の方がきっといいですよ笑。
分からない、自信がない問題は、早く正解を見てポイントを確認したくもなります。
ただポイントを確認するだけの学習になってしまうと、それは最終的に「暗記」の単純作業になりがちで、「つまらない=やりたくない」となる一因となってしまう可能性があるのです。
その学習だと、自身の「引き出し」をあれこれ引き出す訓練もできていないことになりますよね。
あ~でもないこ~でもないと考え、自分なりの解答を出すことで、思考力は育ちます。
「あきらめてポイントをすぐに見てしまう」のを防止したいのであれば、別冊になっている方がよいと思いますよ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、ひと通り英文法を理解した後、基本~標準レベルの演習をじっくり取り組みたい方におススメな問題集「入試頻出 英語標準問題1100」をご紹介しました。
各文法単元の理解の都度、同単元の演習を積みたい場合は、構成が「文法テーマ別」の問題集の方がリンクさせやすいので、この問題集は「ひと通り英文法を理解した後」の方がより有効活用ができそうです。
余談ですが、同じく桐原書店さんから「全解説 頻出英文法・語法問題1000」という問題集も出版されています。
こちらは、今回ご紹介した「1100」に比べ難度が高まりますので、間違えないようご注意くださいね(「1000」の方もいい問題集だと思いますのでまたの機会にご紹介します)。
いろいろな問題集がありますので、なかなか今の自分にベストな問題集はご自身だけでは判断しにくいかと思います。
そんな方はぜひ一度、学習相談・体験受講にいらしてください。
目標・現在の学力・入試までの残り期間などを考慮し、十人十色な学習計画をご提案いたします!
文系・理系問わず必要となる英語、毎回くどいですが、土台作りは、早めから!
それではまた次の記事でお会いしましょう。
See you !